気まぐれ店長日記 The store manager's diary written capriciously

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イシガキフトカミキリのススメ
 イシガキフトカミキリPeblephaeus ishigakianus (Yokoyama, 1971)の今年の発生は少し早めで、現在は発生の後半に入っているようです。夕方になると活発に飛翔する本種の姿を目にします。本種は雌雄ともに上翅に波状紋を持っています。その発現が痕跡的なものからはっきり分かるものまでバリエーションに富んでしますが、雄よりも雌にはっきり現れる傾向にあります。通常、上下2段に波状紋は出現します。参考に雌の画像を載せておきます。左:下段の波状紋の発達した個体。中央:上下2段ともに波状紋が発達した個体。右:上段の波状紋が発達した個体。雄で上下二段に発達した波状紋を持つ個体は稀ですので採集したら大切にしましょう。

あけましておめでとうございます。

旧年中は多くのお客様にご愛顧いただき、誠にありがとうございました。

今年もお客様のコレクションの充実および研究利用可能な標本を提供できるように、いっそうの努力をいたします。

本年もインセクトアイランズをよろしくお願い申し上げます。

イシガキフサヒゲカッコウムシ(Diplopherusa kitamurai Nakane, 1989)
イシガキフサヒゲカッコウムシ(Diplopherusa kitamurai Nakane, 1989)は典型的な性的二形(sexual dimorphism)を示す昆虫です。本種は形態的差異と体色差異の両方の性的二形を合わせ持っています。具体的には雄はその名の通り房髭の触角を持ち、雌はノーマルな触角をしています。そして体色は雌雄で全く異なるうえに、雌はアリバチ擬態のカラーを身にまとっています。ただ、私がフィールドで出会う数が1シーズンで20~30頭程度ですのであまり多い虫ではなく、図鑑等にも載っていません。本種が沢山生息する環境ではかなりの高確率でホソカッコウムシ(Cladiscus obeliscus Lewis, 1892)も観察することが出来ます。両種に共通するスリムな体型が同様の環境で上手く活動するポイントになっているようです。
コブハムシ属Chlamisusの未記載種? Chlamisus sp.
昨日、コブハムシ属の未記載種らしき個体を石垣島で採集しました。
コブハムシ属Chlamisusには日本産では9種が記載されています。
既知種はそれぞれ前胸背板、前胸腹板後突起、後胸腹板後突起および尾節板縦隆起線の形状や虫体色を見ることで比較的容易に同定する事が出来ます。
今回採集した種は9種の何れにも当てはならないので未記載種ではと考えています。
幸いにも♂でしたので時間が出来たら交尾器を観察してみるつもりです。
2018年3月下旬石垣島近況報告
2018年3月下旬の石垣島近況採集報告です。

昼過ぎから夕方までの採集で画像のような状況です。
通常はこれに1~2頭のヤエヤマヒオドシハナが加わります。
個体数の多いオオヒゲブトハナムグリは割愛しました。

春の虫たちが一気に湧いてきている状況です。

あけましておめでとうございます。

旧年中は多くのお客様にご愛顧いただき、誠にありがとうございました。

今年もお客様のコレクションの充実および研究利用可能な標本を提供できるように、いっそうの努力をいたします。

本年もインセクトアイランズをよろしくお願い申し上げます。

アミダテントウ Amida tricolor (Harold, 1878)

つい先日採集したアミダテントウ Amida tricolor (Harold, 1878)

です。満身創痍のボロ個体ですが、八重山諸島では珍しいテントウムシです。西表島でも採集したことがありますが、その時はポイ捨てしてしまいました(笑)。
最近見つけたダルマカメムシの一種 Isometopus sp.

八重山諸島のカスミカメは熟知しているつもりでしたが、まだ知らない種がいるとは驚きでした。このダルマカメムシの一種 Isometopus sp. は樹皮下で採集しましたが、同属他種と同様にその巨大な複眼から捕食者を予感させます。小盾板の下半分が明るい黄色でアクセントになっていてオシャレなダルマカメムシです。画質が良くないのはスマホ撮りですのでお許しください。

ツヤケシヒメミツギリゾウムシ(Hypomiolispa mikagei Morimoto, 1976)

八重山諸島には10種程度のミツギリゾウムシ科の昆虫が分布しています。その中でアリモドキゾウムシ(Cylas formicarius (Fabricius, 1798))、ガドガシラヒラタミツギリゾウムシ(Cerobates planicollis Morimoto, 1976)、ヒメマルクビミツギリゾウムシ(Higonius cilo Lewis, 1883)およびヤエヤマミツギリゾウムシ(Baryrhynchus yaeyamaensis Morimoto, 1979)の4種は発生個体数が多く容易に採集できます。しかし、その他の種は難物です。ヅマルヒラタミツギリゾウムシ(Cerobates formosanus Schonfeldt, 1911)、ツヤヒメミツギリゾウムシ(Trachelizus japonicus Morimoto, 1976)、ナガツヤヒメミツギリゾウムシ(Trachelizus makiharai Morimoto, 1976)およびフトミツギリゾウムシ(Prophthalmus wichmanni Kleine, 1916)の4種は採集効率は良くありませんが、どうにか狙って採集できる虫です。残りの2種、キバナガオニミツギリゾウムシ(Cobalocephalus mizobei (Morimoto, 2009))とツヤケシヒメミツギリゾウムシ(Hypomiolispa mikagei Morimoto, 1976)はいまだに私の中では良い採集法が見いだせずにいます。前者は8頭のみ、後者は今まで採集したことがありませんでしたが、今回初めて2頭のみですが後者を採集することができました。ただ、今回の採集も偶然の産物でしたので頭を悩ませています。

ムナグロミイデラゴミムシ Pheropsophus occipitalis (MacLeay, 1825) の採集に行ってきました。

在庫が切れていたムナグロミイデラゴミムシ Pheropsophus occipitalis (MacLeay, 1825)の採集に行ってきました。20分程度で必要十分な個体数が得られたので引き上げてきました。石垣島にはPheropsophus属の種は本種とオオミイデラゴミムシ Pheropsophus javanus (Dejean, 1825)の2種が分布し混棲しています。2種にはそれぞれ発生個体数の季節変動はありますが、今の時期は普通に採集すれば両種が同数得られる良い時期で今回も1:1に近い割合で採集できました。

宮古諸島に昆虫採集旅行に行ってきました!I went to an insect-collecting trip to Miyako Islands!
2泊3日で宮古諸島に昆虫採集旅行に行ってきました。
今回も短期日程でしたが運悪く初日は雨の影響で採集にならず、2日目は少し虫が動き出し、帰る3日目にやっと虫が飛び回るという状態で苦戦しました。
メインターゲットは伊良部島のカラカネオオキマワリモドキ伊良部島亜種(★★★★)でしたが、期待していたよりも少なく25頭しか採集できませんでした。タイプ産地なので沢山いるかもしれないという期待は妄想に終わりました。宮古諸島も先の与那国島と同じく3週間程度、昆虫の発生が例年よりも遅れていました。7月に宮古に入るとほとんどのハナムグリはスレ始めていて標本に出来る個体は4割程度で、クマゼミはボロボロで日に日に減って行き、ミヤコニイニイの声は聞ければ運が良いというのが例年の状態です。今年は7月にはとっくに姿を消しているはずのイシガキシロテンハナムグリ宮古亜種が沢山飛び回っていて他の種も出たばかりの完品ばかりで、またクマゼミは這い出てきている幼虫が沢山見られる状態で、ミヤコニイニイも盛期という感じでした。画像の右側が最終日に宮古島にて飛行機に飛び乗る前3時間で採集した物(上側のコガネムシは前夜に夜間採集した物で除く)、左側が1日半程度かけて伊良部島にて採集した物で伊良部島での苦戦ぶりがうかがえます。今回の一番の収穫はミヤコカンショコガネの後食植物を見つけたことです。特に伊良部島の個体群は上翅の青みが強い個体の割合が高いようでとても綺麗です。それから伊良部島で枯れ枝にしがみついていたイマサカドウボソの♀を採集したこともかな
与那国島に昆虫採集旅行に行ってきました!I went to an insect-collecting trip to Yonaguni Island!
2泊3日で与那国島に昆虫採集旅行に行ってきました。
メインターゲットはヨナグニゴマダラカミキリでしたが思い切り外してしまいました。
7月なのに5月のセミであるイワサキクサゼミやイワサキヒメハルゼミが鳴いていて、やっとぞろぞろと(リュウキュウ)クマゼミが羽化を始めている状態で季節進行が2~3週間遅れている感じを受けました。ヨナグニゴマダラはこれから増え始めている状態で僅かに18頭に終わりました。居ないものは仕方ないので、換わりにいつもは採集しない小さなカミキリを少しキープしてきました。ヨナグニネブトも数ペア採集してきましたが、まだ蛹室から出ていない個体が多かったので後からまた採集に行く予定です。
ムネヒダミヤマの夜
昨晩採集したニッポンムネヒダミヤマカミキリ達です。
今石垣島にカミキリ採集に来られている方々は幸せ者です。
最近は毎晩このような状態ですが、例年ですと後1週間程度で姿を消してしまいます。
私もそろそろ周辺離島に旅立つ時期が来たようです。
先日、特別希少野生動植物の選定種リスト案が公表されました。
昆虫類はタガメ・ヒメフチトリゲンゴロウ・リュウキュウヒメミズスマシ・ガムシの4種が選定候補になっていました。石垣島の保全種が昆虫のことがよく分からない素人によって安易に目に付きやすい種類ばかりが選定されたのとは違い、今回の西表島の選定には専門家の意見が強く反映されていることが分かります。さすがだなと感心しました。西表島には毎年複数回採集に出かけますが、以前に比べ水生昆虫の生活環境が著しく悪化してきていることは明白でした。以前はどんなところでライトトラップを行っても数頭の大型ゲンゴロウが飛来していましたが、近年はほとんど飛来がなくなりました。理由は明白で、近年西表島の平地がかなり開発されてきたことです。人口増加による宅地拡大、畑地拡大のための湿地埋め立ての増加、管理のための池や貯水池の周りのコンクリート化が大きく影響していると思います。石垣島のように何の対策もしないで規制だけ行うのではなく、西表島では選定された種がこれ以上減少しないように、減少した種が増えることが出来るような対策が行われることを期待しています。
ヤエヤマノコギリクワガタはご存じのように石垣市自然環境保全条例で保全種に指定され2015年5月から採集が禁止されました。条例が施行された頃は普通種である本種を指定するのは意味が無いのではと楽観視していました。ところが条例が施行された2015年も今年2016年も急速にその個体数が減少しているような状況です。採集が出来ないので正確なモニタリングは出来ていませんが、発生期に海岸線の灯火に集まっている本種の数が著しく減っている様に感じています。
 これからは私の仮説ですが、近年の海岸線周辺の集中的な開発が本種の生息を脅かすレベルに達してしまったのではと考えています。本種の生息域が安定している条件下では、ある狭いエリアが伐採等で開発された場合、そこで一時的に個体数が増す現象が数年前まではしばしば観察されていました。伐採された木や地中の根部が本種が繁殖するための資源となっていたためです。しかし、ここ数年は開発のエリアが海岸線周辺に集中し、本種の生息に致命的なダメージを与えているようで、開発が行われても本種が増える現象が見られなくなってきています。海岸線の低地にまとまっていた生息域が、開発でズタズタに寸断されてしまい個体数が急速に減少してきている状況と想像しています。
 石垣島は小さい島なので、すでに主だった山には舗装された不必要に綺麗な林道が作られていて、山間部には開発の余地はあまりありません。そうなると海岸線が開発のターゲットになります。海岸線の道路沿い周辺は本種の主な生息エリアになっていますが、観光客目当ての店や、移住者の住む家がどんどん出来ていて、さらに最近は私には全くその意味が分からないのですがカーブを減らすための道路直線化の工事が各地で行われています。石垣島には規模の小さな土建屋さんが沢山あって、どこかしら開発をしなければその雇用を維持できない等の理由があるのでしょうが、本種の生息を脅かす潜在的な数千・数万頭レベルの個体数を減少させる行為を、全く規制すること無く野放しにして、昆虫愛好家の方が僅か数匹を採集する行為を条例で規制するというのは全く理解できないし、現状は条例を作っただけで全く保護になっていません。
 石垣市自然環境保全条例は石垣市の環境課によって作られたのですが、ここの職員の方は少し頭が弱いようで、未だに熱心にいもしない密猟者対策の会議をして時間を浪費しています。本種に関しては、個体数の減少の原因は99.9%が海岸線の開発にあります。税金泥棒としか思えないような無駄な時間を過ごさないで、本種の保護に一番大切な海岸線の開発規制の議論を行って欲しいものです。石垣島のヤエヤマノコギリクワガタは、保全種に指定はされましたが、本来行われるべき定期的なモニタリングさえもなされていません。このままでは気づかない間に近い将来には絶滅してしまうかもしれません。
 石垣市もそうなのですが、全国的に昆虫愛好家に対して採集規制の条例を作ることが自然保護活動であるという風潮があるように感じています。でもほとんどが条例を作ったら作りっぱなしで、何の対策も行われていないのが実情です。条例さえ作ってしまえば、勝手に自然保護が行われると思っているのでしょうかね?もう少しまじめにやって欲しいものです。
オオアカホシカメムシ
昨晩、オオアカホシカメムシ(Dysdercus fuscomaculatus Stal, 1983)採集に行ってきました。
本種は石垣島では7月~8月に毎年沢山見ることが出来ます。
20mmを超える美しい大型種で、また強い正の走光性を持つのでライトトラップで簡単に採集することが出来ます。
ただ、過去に石垣島でまじめにカメムシ類を研究した人が一人もいませんので、このカメムシの生態は全く分かっていません。
簡単に採集できるのに、どこでどんな生活をしているのか謎に包まれたもどかしい種です。
80頭ほど飛来しましたが、綺麗な物を少しだけキープしてきました。
ヨツモンオオアオコメツキ採集
今日はヨツモンオオアオコメツキ(Campsosternus matsumurae Miwa, 1929)採集に出かけてきました。
与那国島のノブオオオアオコメツキと比較すると個体数は少ないですが(ノブオが多すぎ!)、
大型でピカピカ光る大型甲虫ですので、1時間も探せば20頭程度は簡単に採集できます。
盛夏の石垣島を代表する綺麗な昆虫の一つです。
与那国島に昆虫採集に行ってきました!
昨日、発作的に日帰りで与那国島に昆虫採集に行ってきました。
レンタカー屋の親父さんも与那国は枯れてて虫はいないよと言っていましたが強行です。
目的は毎年採集に行っているヨナグニネブトです。
灼熱地獄の中、林内のシロアリの巣の下部の粘土をホジホジするのは過酷でしたが、そこそこ採集できました。
余った時間でノブオオオアオコメツキ(Campsosternus nobuoi Ôhira, 1966)のような林縁を飛び回る綺麗な虫たちもいくつか採集してきました。

今日はイシガキシリアゲ Neopanorpa subreticulata Miyamoto et Makihara, 1979を観察してきました。於茂登岳周辺の山塊では普通ですが、それ以外の場所ではなかなか観察に適した場所が見つかりません。今回複数個体が飛び回る場所を見つけることが出来ましたので、記念に1頭だけ持ち帰りました。於茂登岳周辺の個体群よりも、このエリアの個体群は翅にある斑紋の黒化が進んでいるようで黒っぽく見えました。
2年前からとても気になっていたマルカメムシの幼虫がいました。
石垣島で私が見たことがない虫はほとんどが新種であるという状況の中、少し期待を持って観察していました。昨日いそいそと観察に出かけたところ、終令幼虫が沢山いる中に待ちに待った成虫が3頭付いていましたが、残念なことに見たことがあるマルカメムシだったので少し落胆しました。今まで気になっていた幼虫の正体はサメハダマルカメムシ Phyllomegacopta sp. というマルカメムシの仲間の未記載種でした。でもまあ知らなかった幼虫と成虫がまた一つリンクしましたのでよしとしましょう。記念に成虫と幼虫の画像を貼っておきます。この幼虫の樹幹での擬態レベルは非常に高く、いるのを確信して探しても見逃す個体が出るぐらいです。