2015年3月

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先日新聞を見ると石垣市全島LED化完了という見出しが躍っていました。石垣市はLED化のデメリットを全く考慮することなく全島をLED化してしまいました。通常は事業を推進するときはメリットおよびデメリットを考慮して行われるべきですがそのようなことは全くお構いなしです。業者との癒着でもあるのでしょうか?防犯上必要な市街地のLED化はメリットが多くとても喜ばしいことですが、そのような必要性が低い田舎の畑地や林縁の外灯までとても明るいLEDにしてしまったために問題が起こっています。夜行性の動物はその生活の場所を奪われ、動植物の光周性は大きく乱され、野生動植物が大きな被害を被っています。特に気になるのがホタル類への影響です。畑地周辺や林地には希少種のイリオモテボタルがたくさん生息しています。イリオモテボタルは弱い光を頼りに雌雄が出会い繁殖行動をして子孫を次世代に繋いで行きます。今までの電球型の外灯は光量が少なかったために影響は少なかったのですが、LED化により圧倒的に光量が増し周辺が異常に明るくなり繁殖行動が大きく阻害されてしまいました。これからイリオモテボタルは石垣市のLED化事業が原因で絶滅してしまうかもしれません。とても皮肉なことに畑地周辺や林地周辺外灯のLED化で個体数を大幅に増やすことが約束された生き物がいます。外来種で駆除対象になっているオオヒキガエルです。LEDの光は今までのぼんやりした外灯の何倍~何十倍もの正の走光性を持った昆虫を外灯下に集まったオオヒキガエルに食物として与えてくれます。十分な食物を継続的に摂取したオオヒキガエルは今までよりも行動範囲や繁殖力が大幅に増して石垣島の生態系に負の影響を与え続けることになります。4月に自然保護関係の条例が施行されるようですが、自然保護を叫びながら一方では自然のことは全く考慮しない自然保護とは逆行した事業を行うような事はやめて欲しいものです。