ヤエヤマコクワガタ

 本種は以前はなぜか採集が難しいと思われていました。しかし近年では、平地のライトトラップでさえ良い時期・良い場所・良い条件の日に当たれば、かなりの確率で採集でき、また同様の条件の時に高所にバナトラやライトセットを持ち込めば、ほぼ確実に採集できるようになってきました。
 昨年、偶然にヒゲナガゾウムシ狙いのライトトラップに17頭の本種が集まりました。今年は本種の生息環境のあたりがついていましたので、本種狙いで臨みました。結果は実働20日で42頭、日平均2.1頭というマルバネよりも厳しい数字です。ただ、理由は簡単で、あまりにも発生初期過ぎて出てきた個体を順番に採集していたからだと考えています。採集個体も1頭だけ爪の部分欠け個体がいましたが、その他はとても綺麗なピカピカの完品個体でした。6~7月に高所にバナトラを持ち込めば簡単に大量採集できるとは思いますが、私の嫌う不完品率が高まるので、その時期にはやるつもりはありません。
 本種の採集数は今後どんどん増えていき、値段もどんどん下がって行くことが予想されます。もはや珍品ではなくなってきているので仕方ありません。大型美個体標本につきましてはショップで取り扱いますが、小型~普通サイズの標本につきましては「むしオークション」のアイテムの一つとして取り扱う予定です。クワガタ類は、未処理で標本作製までに長期保存が利く虫なので、大部分は未展足で冷凍庫内に放り込んでいます。急いで標本作製が必要な昆虫が無くなるオフシーズンまでは時間がとれませんので、出品サイクルは不定期になります。とても安く出しますので時々オークションをご覧になってください。少数だけ生かしておいた生き虫につきましてはヤフオク!に出品して行く予定です。

*つい先日、ヤエヤマコクワが安すぎると苦情?を受けました。私のところは西表島まで船で40分足らずで行くことができ、虫自体も狙って採れる様になったので、特別高く売る理由が見つかりません。希少性だけが唯一の魅力だった虫のその希少性が失われた今、安くなるのは仕方ありません。西表在住の虫屋さんはクワガタ屋さんでなくても採っていますし、短期で訪れた虫屋さんは特に狙っていなくてもライトトラップを使われた方の2割ぐらいの方はヤエヤマコクワを採集されているような状況ですから。